妊娠中の方の中には、切迫流産や切迫早産で安静の指示を受ける方もいらっしゃるかと思います。安静の指示は、妊娠期間を出来るだけ長くすることで、お腹の赤ちゃんを守るための対処です。
ただ、安静期間が長くなると、若い方でも筋力はすぐに落ちてしまいます。今回は自宅での安静の際に、筋力を維持する為にできることや、体への負担を軽減するための過ごし方などを一部ご紹介したいと思います。
ベッド上でもできる運動
1.寝ながら:足首を動かす
足首の運動はベッドで寝たままでもできるふくらはぎのエクササイズです。筋力が落ちやすい場所でもありますが、同時に深部静脈血栓症(エコノミー症候群とも言われますよね)の予防として行うと良いとされている運動です。
2.横向きに寝ながら:肩周りを動かす
肩甲骨周りを動かすことは、肩こりの予防のみでなく、呼吸のしやすさにも繋がります。気持ちよく呼吸ができるように体を整え、リラックスすることにつなげていきましょう。
3.寝ながら:腕の運動
仰向けに寝ながらゆっくり肘の曲げ伸ばしや、天井に向かって腕全体を曲げ伸ばしすることで腕の筋力維持をすることもできます。
4.座る:背中の筋力維持
座ることが大丈夫な方であれば、時々体を起こして真っ直ぐ座るだけでも背中周りの筋力を使っているため、筋力維持に繋がります。
写真のようにお尻の後ろ側にドアストッパーのようにタオルをかませて座るようにすると、骨盤の位置が真っ直ぐに保たれ、胴体部分も筒のようにまっすぐ保つことができ、背中の筋肉をうまく使うことができます。
お腹への負荷を避けるために
上記の運動はどれもお腹に力が入るようなものではありません。が、お腹に負荷がかかる場面というのは、運動の時だけではなく日常生活の中にも実はいくつかあります。
1.起き上がる時
ベッドから起き上がる際はそのまま頭から起きると、お腹に圧がかかってしまいます。勢いで起きるのではなく、一度横向きになってから手をついてゆっくり起き上がるようにしてみてください。
2.座っている時
座る姿勢も、つい猫背になりがちですが、猫背になるとそれだけお腹の空間も潰されてしまいます。
出来るだけ背中にクッションを当てるなどして胴体部分が筒状に真っ直ぐになるように工夫してみてくださいね。
まとめ:心と体の健康のために
切迫流産や切迫早産の妊婦さんの場合は、どうしてもお腹の赤ちゃんのこと考えると不安な気持ちになってしまいますよね。
運動をすることは本来、心と体を健康にするためのものです。ただ、運動することで返って不安になるのであれば、無理をせずリラックスして過ごすことも大切です。
自分の気持ちや自分の体の声にゆっくり耳を傾け、できる範囲で少しずつ取り組んで、赤ちゃんと自分のために今を過ごしてみてくださいね。