妊娠・出産

逆子のおはなし

はじめに

この動画やサイトでお話していることは、一般的な医学知識に加え、
一産婦人科医の意見や考え方も含みます。

一般的な医学知識については共通ですが、
各病院や主治医によって、それぞれ方針や考え方があります。

ご自身の状態や方針については必ず主治医に確認してくださいね。

逆子ってどんな状態?

出産前の赤ちゃんは頭位といって、頭を下にした状態になります。

その逆、赤ちゃんの頭が上にある状態のことを骨盤位(逆子)といいます。

妊娠中期までは30〜50%程度が骨盤位ですが、
分娩時には自然に回転し、頭位になることがほとんどです。
(分娩時に骨盤位であるのは、全部の出産の5%程度と言われています。)

骨盤位といっても、赤ちゃんの姿勢によって以下のように、
もう少し細かく分けられます。

  • 体操座りやVの字のようになっている子(お尻が先行する=殿位)
  • 膝立ちのようになっている子(膝が先行する=膝位)
  • 足が先行してくる子(足位)

多くが殿位(75%)です。

殿位→膝位→足位になるにつれて危険度が増します。

逆子をいつから気にする?

妊娠中期までは30〜50%程度が骨盤位なので、中期までは気にする必要はありません。

臨床の場では28〜30週ころになっても戻らない場合、介入を始めることが多いです。

逆子になる原因は?

ママ側の原因

  • 子宮筋腫や奇形など形に異常がある
  • 胎盤の位置の問題
  • 骨盤が狭い

赤ちゃん側の原因

  • 早産
  • 双子ちゃんなどの多胎妊娠
  • 羊水が多い
  • 無脳症や水頭症などの奇形
    (エコーでわかる事が多いので、指摘がなければ過度に心配する必要はないですよ)

東洋医学からみた視点

逆子に要注意な食べ物! 妊娠中の食べ物や生活は、妊婦さんの健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの健康につながっていくのでとっても大事です。妊娠すると、ホルモン...

こちらの記事に詳しく書かれていますが、東洋医学では冷えが一つの原因ではないかと考えられています。

など原因としては挙げられますが、正直原因がわかるものはごく一部に過ぎず、
原因がわからないことも多いです。

逆子のときにやってみること

これから説明することは、医者によって考え方が分かれるところでもあります。


逆子体操はお腹がはることもあるため、指導しない病院もあるでしょうし、
鍼灸も効果がないというDrもいるでしょう。

逆子体操

妊娠30週ころになっても戻らない場合に指導される、家でできる体操です。

お腹がはることもあるため、切迫早産の方には行わないことが多いです。
有効性が実証されていないので、行わない病院も増えていると聞きます。

極論、「戻るときは戻るし、戻らないときは戻らない」という…。

鍼灸

私個人としては、産婦人科と鍼灸は相性がいいと思います。

私自身も、逆子で鍼灸に通いました。
私の場合は戻りませんでしたが、お灸をしてもらうと子宮が緩んで、赤ちゃんが動き出す感覚がよくわかりました。
あまり気が付いてなかったですが、慢性的に張っていたのかな…と思います。

逆子ツボ
逆子のツボとお灸のやり方 少し前に【逆子に要注意な食べ物】という記事で 逆子についての東洋医学からの理由「頭寒足熱」と「冷え」について紹介しました。 ...

こちらに出てくる至陰というツボが逆子にはとても重要と鍼灸師の先生に教えてもらいました。(かなり熱かったです、本当に…)

外回転術

この手技は、ママのお腹の上から赤ちゃんを用手的に回すものです。

ガイドライン上は妊娠36週以降を目安にと書かれています。

成功率は60〜70%と言われていますが、まれに常位胎盤早期剥離、赤ちゃんの心音が低下するなどの緊急事態を引き起こすリスクもあるため、緊急帝王切開の準備や胎児心拍のモニタリング、十分なインフォームドコンセントが必要になります。

おそらく、この手技ができる先生も限られていて、最初から外回転術自体行わない病院も多いと思います。

正直、私自身はできませんし、やったこともありません。

逆子に対する一つの選択肢として、知っておいていただければと思います。

なぜ、逆子だと帝王切開になるの?

逆子だと必ず帝王切開になる、というわけではないんですが、
逆子の経膣分娩には以下のようなリスクがあります。

  • 前期破水
  • 臍帯脱出や臍帯圧迫(赤ちゃんへのストレスがとても大きい)
  • 分娩が長引きやすい  などなど

条件を絞って逆子の経膣分娩を行っている病院もゼロではないと思いますが、私が今までに勤務した病院、友人の働いている病院、出産した病院を含め、
逆子の経膣分娩を行っている病院はありませんでした。

逆子を経腟分娩するならば、
経膣分娩が可能な条件(殿位、早産なし、児頭骨盤不均衡なし、体重も問題なし、などなど…)を満たし、熟練した医師のいる病院で、緊急帝王切開も視野に入れてという事になってくると思います。

逆子が戻らなかったら…

上にも書いたように、逆子になる原因というのはいくつかありますが、
原因がわからないことも多いんです。

どうしても逆子と言われると、

  • どうして逆子になったんだろう
  • 戻らなかったらどうしよう
  • 帝王切開になる…

と不安になってしまう気持ちもわかります。私もそうでしたから。
でも、終わってみたら逆子で良かった…と思うこともあるんです。

なので、できることはやるけれども、逆子が戻っても戻らなくてもどちらでもいい、くらいの気持ちのほうが楽だったりします。

絶対に戻すんだ!とそこに執着してしまうと、余計に体が固まってしまいますからね。

帝王切開については別の動画でお話しているので、また記事にしますが、
最終的な目標は、ママと赤ちゃんが無事出産を終えることです。

そのための一つの方法であって、立派なお産なんです。

帝王切開の話がでたら、自分でも何のために帝王切開を選択するのか、落とし込んでみてください。
「医者に言われたから」ではなく、「赤ちゃんと自分の安全のために、帝王切開を選ぶんだ」と自分で決め直すことで、脳の動く場所が変わり、全身への反応も変わってきますよ。


ABOUT ME
原紗希
原紗希
現役産婦人科医。外来診療では検査や薬の処方だけではなく、患者さん一人ひとりに合わせた多方面からのアドバイスも行う。2児(6歳・2歳)の母。
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