産後

産後のメンタル

皆さんはストレスって一体何だと思いますか??
生きていると、どうしてもストレスを感じることってあると思います。

私達医師も、「ストレスが原因です。」という話をすることがありますし、
実際ホルモンバランスの乱れというのはストレスと大きな関わりがあります。

なので「ストレス発散をしましょう。」とか「ストレスと上手く付き合っていきましょう。」と言われたところで、その場しのぎなだけで根本解決にならない…一体ストレスってどんなことが体の中で起きていて、どんな人が感じやすくて、どうしたらいいのか…ということを考えだしたのが、心理学や脳科学を学ぼうと思ったきっかけでした。

今回はストレスの基礎知識と、それを産後の場合にあてはめて、どうしたら産後に穏やかに過ごせるのか、ということについてメンタルコーチと一緒にお話をしました。

ストレスって一体なに?!

3つのT

ストレスというのは、大きくわけて3つに分けられます。

  • Trauma:外傷や怪我など
  • Toxin:毒(添加物や農薬、薬も一部含まれるかと思います。)
  • Thought:思考や精神など

そのなかでも体に多大な影響を及ぼすのは、Thought(思考や精神など)になります。

人間の悩みは、本当にざっくり書くと、

  • お金
  • 健康
  • 自分の能力
  • 仕事

あたりに大きく分けられると思いますが、全てにおいて、その根底にあるのは、他者との比較になってきます。

人と比較することで、初めて悩みに変わるということなんですね。

とくに健康に関して言えば、突き詰めていくと、特に自分により近い人(両親の場合が多いと思います。)の影響が体に現れていることが多いのです。

体内で何が起きている?

目の前の出来事にイライラしたり恐怖や不安を過度に感じると、脳の扁桃体が反応して、ストレス反応を引き起こします。

まず、自律神経の交感神経が優位になることになります。
体が緊張して、血管は収縮し、心拍が上がり、肩がこり、胃もムカムカ…
というように、戦闘モードに近い状態となります。
(本当に症状は多彩です。)
本来寝るときは副交感神経優位になっているのですが、うまく切り替わらないと、不眠を始めとした睡眠障害にもつながってきます。

ホルモンの観点からみると、
副腎からはコルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌され、その状態が長く続くと、副腎疲労症候群という状態になり、そのうち副腎からコルチゾールが分泌できなくなり、無気力や起きられないといった状態になってしまいます。(すごくざっくり書いています。)

また、アドレナリンやノルアドレナリンといった血圧を上げたり、心拍を上げたりするようなホルモンも分泌されます。

プロラクチンという無月経に関わるホルモンも、ストレス負荷で増加することがわかっています。

まだまだいろんな臓器でいろんなことが起こり、ホルモンにも影響があるのですが、ざっくりいうとこんな感じのことが起こってます。

自律神経というのは、アクセルモードの交感神経とリラックスモードの副交感神経がバランスをとっているのですが、現代は交感神経が優位になりやすいと思います。というのも、夜の明るすぎる光やスマホのブルーライト、多すぎる情報も交感神経を刺激することが多いのです。

また他の動画でもお話しますが、
ストレスというのは100%悪いものというわけではないのです。
新しい環境に馴染んだり、自分がさらにステップアップするためには必要なものだったりするわけですが、要はバランスが大事ということです。

産後のメンタルを安定させるために

産後うつを始めとした産後のメンタルの不調について、
どういうメカニズムでストレスを感じているのか、どうしたらよいのか、
ということについて、お話をしました。

マタニティ・ブルーズとマタニティ・レッド

産後というのは、数百倍まで上昇した女性ホルモンが一気に低下するため、
気分が落ち込みやすくなったりすると言われています。

こちらのブログにも書きましたが、マタニティブルーズは産後3〜10日ほどで現れ、産後2週くらいで自然に軽快し、症状が消失しますが、それが長引いたりすると、産後うつにも移行することもあるため、私達も注意はしています。

産後ホルモン
産後のホルモンバランスの変化 出産をおえて、赤ちゃんとの生活が始まると、新しいことや慣れないことも多く、よくわからないけど泣けてきてしまったり、イライラしたり、自分...

それと対照的な表現で、マタニティ・レッドという状態があります。
これは、赤ちゃんとの生活において、いいことばっかり・メリットばっかりに目が向いている状態を指します。

もちろん赤ちゃんが生まれて、こんなこともあんなこともとポジティブな想像を膨らませてワクワクすることは大切なことです。

ですが、理想と現実のギャップが、うつ状態を引き起こす一つの原因だったりするため、ポジティブばかりに目を向けるのは危険だったりもするわけです。

では、どうしたらいいのか?

物事にはどんなことでも同じだけメリットとデメリットがあります。

妊娠をすることも赤ちゃんを生むことも、メリットももちろんありますし、それと同じだけデメリットもあります。

なぜ、『ポジティブ思考』な人ほど妊娠できないのか? なぜ、ポジティブ思考な人ほど妊娠できないのか、ご存知ですか? ハッキリ言いましょう。ポジティブ思考は不完全だからです。一般的な分...
  • 赤ちゃんが生まれたら、どんなことが起きてくる可能性があるのか?
  • 現実的にどんな生活になるのか?

例えば、
患者さんたちから聞いた”こんなはずじゃなかった…”をご紹介すると、

  • 1ヶ月も悪露が続いてお風呂に入れないなんて…
  • 母乳ってすんなり出ると思ってたのに、こんなに出ないなんて…
  • 赤ちゃんって夜中にこんなに泣くなんて…
  • こんなにすんなり寝てくれないなんて…
  • 赤ちゃん自身に、おっぱいを飲むのが上手・下手があるなんて…
  • こんなにおむつが必要になるなんて…
    などなど

今挙げただけでも結構出てきます。

それらを洗い出して、対策を考えておくことがとても大切になります。
「〇〇と思わなかった。」を想定内にしておくんです。

そうするだけでも、かなりストレスは減らせます。

赤ちゃんとの生活は自分を知るチャンス

赤ちゃんは本当に自由ですよね。
お腹が空いたり、なにか不快なことがあると、こちらの都合とかは一切考えず、泣いて訴える。

もし、子供の自由奔放なところにイラつきを感じるようなときには、
もしかすると自分自身が不自由さを感じているのかも?というサインだったりもします。

自分の子供を通して、自分が何を感じているのか、ということを知ることができるわけです。子供って本当に親をたくさん成長させてくれます。

ABOUT ME
原紗希
原紗希
現役産婦人科医。外来診療では検査や薬の処方だけではなく、患者さん一人ひとりに合わせた多方面からのアドバイスも行う。2児(6歳・2歳)の母。
免責事項

当サイトにコンテンツを掲載するにあたり、内容には細心の注意を払っておりますが、必ずしも正確性を保証するものではありません。
また、当サイトの全ての情報は診断・治療行為ではありません。
診断・治療を必要としている方は、すみやかに医師・各専門家に相談してください。
本サイト上の情報利用に関して発生した損害などに関しては、一切責任を負いかねます。