ハワイに来て、3ヶ月ほど経過しました。
過ぎてみると、もう3ヶ月経ったのかーと早いような気もしますが、だいぶ馴染んできてもう数年住んでいるような感覚にもなっています。不思議な感じ。
今日は「ある」にフォーカスするのか、「ない」にフォーカスするのかというお話を書こうと思います。
正直、いろんなところで言われている話でもありますし、「知ってるよ」という方も多いかと思いますが、良くなっていく患者さんとなかなか良くならない患者さんをみていて、気がついたことも踏まえてお伝えできればと思います。
「ポジティブ」と「ネガティブ」はセット
このサイトでも何度かこの話はでてきていますが、
陽と陰、ポジティブとネガティブ、好きと嫌い、N極とS極、あらゆることに両方の局面があるということなんです。
- 自分のことを好きでいてくれる人もいれば、そうでない人もいる
- 人生にはいい(と自分が思った)こともあれば、そうでないこともある
- これ最高!と思ったことにも、実はネガティブな面がある
- これ最悪だわと思ったことでも、それによって得ていたポジティブもある
ということなんです。
2人のつわりの患者さんの場合
妊娠悪阻でつらい思いをしていた患者さんがいました。
Aさんは、「調子はどうですか?」と聞くと、「結局吐いてしまいましたが、今日は少し食べ物を食べたい気持ちになりました。」
Bさんは、同じ質問をすると「今日は食べられそうだったので、食べたんですが、やっぱり吐いてしまってだめでした。」
どちらが早く良くなったのか、おわかりですよね。圧倒的にAさんのほうが早いです。
Aさんは、良くなったことにフォーカスしているのに対して、Bさんはできていないことにフォーカスをしているという違いがあります。
旦那さんが何もしてくれないと怒っている奥さんの場合
調子が悪くなって受診した方は、「旦那がなんにもしてくれない。いつもゲームばっかりやってて!」とかなり怒っている様子でした。
その怒りは怒りで一旦受け止める必要があるし、怒りきればいいと思うので、時間の許す限りは聴きます。その後に、「本当に何もやってくれないの?」と聞くと、「やってくれない」の一点張りです(笑)
「何も」とか「絶対」とか「いつも」という言葉が出たときは、それは完全にそこしか見えてない、視野が狭くなっている状態なので、ちょっと崩したほうがよかったりします。
次の受診までに
- 旦那さんがやってくれていること
- 旦那さんがやってくれないなら、他に誰がやってくれているか
を書き出してくるように宿題を出しました。
結構あったんですよね、実際は。本人も、「結構ありましたね…」みたいな感じでした。実際に旦那さんがやってくれていたことに対して「ありがとう」が言えたときから、関係性も体の症状も変わっていきましたよ。
やってくれていないことにフォーカスを当てるのか、やってくれていることにフォーカスをあてるのか。
あるいは、
やってくれない人にフォーカスを当てるのか、やってくれている人にフォーカスを当てるのか。
必ず両方の局面を持っているはずなので、そこに目が向けられるようになるととても楽になります。
妊娠中はいいこと探し
人間というのは、ポジティブよりもネガティブに反応しやすいような脳の作りをしているようです。これは自分を守るためのスキルなので必要なもの。
ですが普段から「できていないこと」「ダメなこと」「自分を苦しめる人」ばかりに目が行くのは自分もしんどいですよね。
逆に「できること」「できるようになったこと」「自分を支えてくれる人」も必ずあるということに気がつけると、中庸(真ん中)に戻るんですよね。
妊娠すると「あれができない」「これができない」「こんなにつらい」「我慢ばっかり」となる方もみえますが、「できるようになったことは?」「良かったことは?」「赤ちゃんを感じられる瞬間は?」「誰といい関係が築けるようになった?」といいこと探しをするクセをつけておくと【妊娠生活=つらいもの】が消えていくと思います。